研究概要 |
ラット肋軟骨の成長軟骨細胞層より軟骨細胞を単離し、遠心管にて高密度浮遊培養を行うと、内軟骨性骨化と同様のことが起こることが知られており、この培養系は内軟骨性骨化の1モデルと考えられている。又、この系では、アルカリフォスファターゼ活性が上昇した後、骨化が起こる直前でカルパインが増加することも明らかとなっている。そこで、今回は、この培養系を用い、遠心力の強さ、時間を様々に変化させた結果、内軟骨性骨化にどのような変動が生じるのか、カルパインが蛋白レベルにおいてどう変動するのかを解明することを目的とした。5週令のラット肋軟骨の成長軟骨細胞層より軟骨細胞を単離し、1遠心管あたり16万個の細胞をまき、1,500回転、5分間の遠心をかけた。以後、3群に分けた。A群は毎日3,000回転、30分間の遠心をかけた。B群は2日に1度培養液の交換の時に、1,500 回転、5分間の遠心をかけた。C群はその後なにも遠心をかけなかった。これら3群間では、温度差はほとんど生じていなかった。C群でも他の群と同様にプロテオグリカン、アルカリフォスファターゼの上昇が見られ、石灰化も生じていた。A郡は3週間の時点で、B群よりカルシウム含有量が有意に多かったが、4週間の時点では有意差は生じていなかった。DNA、プロテオグリカン、アルカリフォスファターゼの挙動は、3群間では同様の傾向を示しており、遠心力による有意差は生じていなかった。また、HE、サフラニンO染色での組織学的な差も3群間では生じていなかった。これらの内容をもう少し追求して、後日公表する予定である。
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