研究課題/領域番号 |
10671363
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 助教授 (30243687)
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研究分担者 |
西良 浩一 徳島大学, 医学部, 講師 (10304528)
安岡 劭 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30035414)
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
浜田 佳孝 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
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キーワード | 発育期 / 腰椎 / 終板 / 分離症 / すべり症 / 生体力学 |
研究概要 |
我々は、昨年度、発育期腰椎分離症のすべり進展は、成長期のなかでも、特に椎体が未成熟であるcartilagenous stageの期間にすべり進展・憎悪が生じ、発育が終了したepiphyseal stage以降では見られないことを臨床的に報告し、幼若脊椎終板の生体力学的脆弱性がその一因となることを実験的に明らかとした。本年度では、分離が腰椎のkinematicsに及ぼす影響を検討した。臨床的には、発育期腰椎分離症患者のレントゲン像より屈曲、伸展運動中の分離椎の回転中心を検討し、正常者のそれと比較した。正常群、初期分離群では、回転中心は、ほぼ尾側椎間板内に位置していたが、分離が進行期以降になると、回転中心は頭側に変位することがわかった。また、実験的には、新鮮仔牛屍体脊椎を用い検討した。作製した分離椎と非分離椎モデルに前方剪断負荷をかけ、負荷変位動態(LDB)を観察した。非分離椎ではLDBは2峰性で、まず剪断剛性225(N/mm)を示し、約964Nで初期ピークを示し、後方構成体の破損後2次ピークを迎え、約750Nで成長軟骨板で破損した。分離椎でのLDBは剪断剛性155(N/mm)の1峰性で約734Nで成長軟骨板で破損した。従って、非分離椎では前方剪断負荷に対し、剛性および破損強度の高い後方構成体で守られているが、分離椎では、後方に比し脆弱な前方構成体で負荷を担う状態であることが分かった。以上より、臨床的、実験的検討により、分離が生じると腰椎Kinematics の破綻が生じることが明らかとなった。
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