研究課題/領域番号 |
10671363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 助教授 (30243687)
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研究分担者 |
西良 浩一 徳島大学, 医学部, 講師 (10304528)
安岡 劭 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30035414)
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
浜田 佳孝 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 発育期 / 腰椎 / 終板 / 分離症 / すべり症 / 生体力学 |
研究概要 |
発育期腰椎分離症のすべり発生は成長期に生じ、成長終了以降、すべりが発生・増悪することは少ない。今回、成長期のどの椎体骨年齢相ですべりが発生するかを臨床的に検討した結果、特に椎体が未成熟であるcartilagenous(C)stageの期間にすべり進展・増悪が生じ、発育が終了したepiphyseal(E)stage以降では見られないことを明らかとした。また、幼若期にすべりが好発する機序を生体力学的に検討した。週齢の異なる新鮮仔牛屍体脊椎より摘出した腰椎機能区分に分離症モデルとしてpars defectsを作製し、前方剪断負荷を与え終板の破損強度を測定した結果、C stageの終板が他の2群に比べ有意に小さい強度で破損に至った。これは、C stageにすべり進展・増悪をきたす臨床的データに符合しており、終板の脆弱性が、発育期分離症のすべり進展に関与することが示唆された。 分離症がすべり症へ進展する基盤に、分離が発生したことに付随する生体力学的異常が考えられる。そこで、分離が腰椎のkinematicsに及ぼす影響を検討した。臨床的には、発育期腰椎分離症患者のレントゲン像より屈曲、伸展運動中の分離椎の回転中心を検討し、正常者のそれと比較した。正常群、初期分離群では、回転中心は、ほぼ尾側椎間板内に位置していたが、分離が進行期以降になると、回転中心は頭側に変位することがわかった。また、実験的には、新鮮仔牛屍体脊椎を用い検討した。作製した分離椎と非分離椎モデルに前方剪断負荷をかけ、負荷変位動態を観察した。非分離椎では前方剪断負荷に対し、剛性および破損強度の高い後方構成体で守られているが、分離椎では、後方に比し脆弱な前方構成体で負荷を担う状態であることが分かった。以上より、臨床的、実験的検討により、分離が生じると腰椎Kinematicsの破綻が生じることが明らかとなった。
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