研究課題/領域番号 |
10671366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
榎本 寛 長崎大学, 医学部, 助手 (90284679)
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研究分担者 |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
松本 智子 長崎大学, 医学部, 助教授 (30239107)
朝長 匡 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (00264242)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | インシュリン様成長因子 / IGF結合蛋白 / 軟骨細胞 / IGF binding protein |
研究概要 |
一般にいったん破壊された関節軟骨は修復が困難であることが知られているが、その原因の1つとして軟骨細胞の増殖因子であるインシュリン様成長因子(IGF)の作用機構に何らかの障害のあることが考えられ、実際、変形性関節症(OA)において、軟骨細胞のIGFに対する反応性が低下していることが報告されている。われわれはこの点をさらに解明するために、IGFの調節因子であるIGF結合蛋白(IGFBP)に着目し両者の相互作用を中心に研究した。 まずヒト軟骨細胞の株細胞を培養し、培養液中にIGF-1および、その異性体であるdes(1-3)IGF-Iを添加し細胞の増殖度を調べた。IGF-I1は濃度依存性に細胞の増殖を促進したが、IGFBPにはほとんど結合しないdes(1-3)IGF-IはIGF-Iよりもさらに低濃度で増殖を促進した。さらにIGFBP-3をIGF-Iと同時に添加すると、IGFBP-3はIGF-Iの作用を濃度依存性に抑制した。 IGFBP-3の抑制作用の機構を明らかにするために、IGF-Iのレセプターへの結合能に対するIGFBP-3の影響を調べたところ、IGFBP-3はIGF-Iと競合し、濃度依存性にIGF-Iのレセプターへの結合を阻害することが判明した。以上の結果はIGFBPとIGFの相互作用に何等かの異常が生じることにより軟骨の修復が妨げられていることを示唆するものである。
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