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1998 年度 実績報告書

関節軟骨損傷の修復過程におけるTGF-β1の作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10671368
研究機関熊本大学

研究代表者

水田 博志  熊本大学, 医学部, 助教授 (60174025)

研究分担者 中村 英一  熊本大学, 医学部, 助手 (70274719)
キーワード軟骨欠損 / TGFβ / TGF-β受容体
研究概要

本年度はまず予備実験としてラット大腿骨膝蓋面に0.8mm径,深さ1.5mmの軟骨全層欠損モデルを作成し,その継時的変化を観察した。白色の修復組織で充填された欠損部は1〜2週までは周囲と判別可能であったが,4週の時点では透明度が増し周囲とほとんど判別できず,修復組織の解析のためのサンプリングが困難であった。そこで欠損部の直径を1mmとして軟骨全層欠損モデルを作成したが,0.8mm径と同様に継時的に周囲との判別が困難となる例が少なくなかった。修復組織のサンプリングが可能であった例を用い,TGF-β1,TGF-βtype I receptor,TGF-βtype II receptor,PCNAの発現を免疫組織学的に検討した結果,モデル作成後1〜2週で欠損部を充填した紡錘形の未分化間葉系細胞は高頻度にPCNA陽性で,TGF-β1,TGF-βtype I receptor,TGF-βtype II receptorの発現が認められた。さらに軟骨形成とともに強いPCNA染色性を示す増殖軟骨細胞にTGF-β1,TGF-βtype I receptor,TGF-βtype II receptorの発現が見られ,これらの結果は従来われわれが使用してきた免軟骨全層欠損モデル修復組織におけるGuJ.らの方法を用いた検討の結果と同様な傾向であった。しかし上記の作成方法によるラット軟骨全層欠損モデルではサンプリング可能な修復組織の量が非常に少量で,同一標本の連続切片によるTGF-β1及びそのシグナル伝達系(TGF-βreceptor及びSmads)の解析は困難であった。そこでより多量の修復組織が得られるよう大腿骨内顆関節面全面に0.5mm幅のV字状全層欠損を作成する方法に変更し,HunzikerEBらの方法を参考に定量的な欠損を作成するためのカンナ状のinstrumentを開発した。平成11年度はこのinstrumentにより作成した軟骨全層欠損モデルを用い,TGF-β1の軟骨修復過程への関与をより詳細に明らかにする予定である。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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