研究概要 |
幼若のラットの頚椎部に手術的操作を加え、傍脊柱筋を剥離し、経時的に観察したが、mal-alignmentを作ることは難渋した。これはラットの頭部の重量が軽すぎること、頚椎のalignmentが急峻でないこと、傍脊柱筋が強靭で変化を受けにくいことなどが理由と思われた。 そこで実験動物を、二本脚動物のコシャモに変更したところ、局所的な後弯変形を実験的に作ることに成功した。(科研費で購入したcoagulatorとhigh-speed drillを用いることで、手術の精度を飛躍的に高めることができた) いまのところ、変形に対する二次的な矯正変化(骨添加など)を観察中であるが、明らかなremodelingは確認されない。 しかし新知見として、手術で変形した部位以外に、新たな変形が生じることがわかった。手術高位を変えてみると,部位は異なるものの、やはり同様の変形が生じる。これは頭の位置を一定に維持するための、二次的なcompensationの変形と考えられる。(これは、いまだ原因不明の先天性後弯症のモデルになり得る可能性がある) 今後,さらに経時的に術後変化を観察し、変形に対する脊椎remodelingのメカニズムを実験的に解明してゆく予定である。
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