研究課題/領域番号 |
10671386
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
丸毛 啓史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70199925)
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研究分担者 |
斎藤 充 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50301528)
小谷野 康彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10234907)
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キーワード | Chondroadoherin / bone / osteoclast |
研究概要 |
ヒト骨組織より初めてChondroadherin(CHAD)を分離・精製する方法を確立した。CHADは骨、軟骨に特異的に存在する非コラーゲン性蛋白質であるが、それぞれの組織において異なった翻訳後修飾を受けることにより、固有の機能を発現しているものと考えられている。これまでに、骨由来CHAD(bCHAD)のみにリン酸化修飾がみられることを報告し、本蛋白質がosteopontinやbone sialoproteinなどのリン蛋白質と同様に、骨系細胞の骨基質への接着や機能の発現に、何らかの役割を演じている可能性のあることを指摘している。本研究ではbCHADの機能の一端を明らかにすることを目的としてbCHADと破骨細胞との結合様式および破骨細胞がhydroxyapatite(HAP)に接着する際のbCHADの役割について検討した。 bCHADはOPNと同程度にHAPと強い親和性を有し、破骨細胞のHAPへの接着を促進することが明らかになった。また、破骨細胞とbCHADとの接着に際しては、破骨細胞上のα2β1integrinを介していることが判明したが、コラーゲン上のα2β1integrin結合ドメインであるDEGApeptideの過剰投与による測定においても接着が阻害されなかったことから、破骨細胞はbCHAD上でDEGA配列とは異なる一次構造を認識するものと推察される。 これまで破骨細胞の骨基質への接着は主に破骨細胞上のαVβ3integrinがOPNなどのリン蛋白質のRGD配列を確認することにより発現するものと考えられてきたが、RGD配列を有しないCHADを介した新たな接着機構の存在が明らかになったことは、今後、骨吸収機序を解明するうえでも大変に興味深い。
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