研究概要 |
現在我々は、当院腎臓センターおよび整形外科にて加療中の長期血液透析(Hemodyalysis:以下HD)患者、特に破壊性脊惟骨間節症(Destrive Spondyloarthropathy:以下DSA)およびアミロイド骨症の症例につき、その病態解析のため、組織学的分析、分子骨代謝的アプローチおよび骨代謝因子受容体遺伝子検査を総括的に研究している。実際には、これら患者の自動画像解析を使用した骨組織形態計測、骨吸収・骨形成のサイトカインの発現、骨代謝因子受容体多型の分析を総括的に行っている。すでに骨形態計測所見として、DSA症例では、線雑性骨炎よりむしろ無形成骨の比率が高いことを見い出している。また、遺伝子多型の分析としては、骨代謝因子として重要であるVitD受容体遺伝子および透析アミロイドーシスの発症危険因子と考えられているApoE遺伝子多型を調べている。VitD受容体多型は末梢白血球からゲノムDNAを抽出し、Morrisonらのプライマーを用いてPCR-RFLP解折により判定するが、遺伝子を切断する制限酵素はBsmIのみである。この結果、DSA症例には,bb型ホモ接合体が多く、さらに同様の方法で、行ったApoE遺伝子多型としてはE3/3型ホモ接合体か多いことも見い出している。しかし、いずれも症例が少ないため、現在発表する段階ではない。今後症例を増やし、確実な傾向を判定する予定である。サイトカインの発現は、現在のRT-PCkでは、全く定量性がなく定性的であるため、正常および非透析者でも陽性所見がでてしまっているため、現在別の検査法を考慮中である。
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