研究課題/領域番号 |
10671389
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
加藤 義治 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (00143850)
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研究分担者 |
和田 啓義 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80287416)
伊藤 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10307580)
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キーワード | 慢性腎不全 / 血液透析 / 破壊性脊椎骨関節症 / 遺伝子多型 / β2-microglobulin / VitD3受容体 / 腎性骨異栄養症 / ApoE遺伝子 |
研究概要 |
腎性骨異栄養症の脊椎病変である破壊性脊椎関節症(Destructive Spondyloathropathy:以下DSA)は、時に重度の脊椎不安定症に基づく重篤な脊髄症を呈し、治療に難渋する場合が少なくない。このDSAがβ2-microglobulin(以下β2-mg)が引き金となって発症し、脊椎骨粗鬆症により増悪・進行していくのではないかとの前提のもと、骨代謝遺伝子受容体多型の分析を集中的に行った。すなわちβ2-mgが組織沈着しやすい素因をApoE genotypeで、骨粗鬆症になりやすい遺伝子素因をビタミンD受容体遺伝子(以下VDR)で分析した。対象はX線上DSAを認めた患者51例であった。ApoEの結果は、E3/3:37/51例(72.5%)、E3/4:12/51例(23.5%)E2/3:2/51例(4.0%)とE3/3が圧倒的に多かった。一方VDR受容体遺伝多型は、BB型:3/51例(5.9%)、Bb型:15/51例(29.4%)、bb型:33/51例(64.7%)とbb型が多かった。この結果からは、ApoEはE3/3型、VDRはbb型が本症を引き起こしやすいように思われる。また両受容体の組み合わせとしては、E3/3・bb型が28/51例(54.9%)と約半数を占め、以下E3/3・Bb型:9/51例(17.6%)、E3/4・Bb型:6/51例(11.8%)、E3/4・bb型:3/51例(5.9%)、E3/4・BB型:3/51例(5.9%)、E2/3・bb:2/51型例(3.9%)であった。本結果から、E3/3・bb型がDSA発症・進行の遺伝子素因として最も可能性が高いと考えられる。
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