研究概要 |
東京大学医学部薬理学教室に保存されている、CICRが異常に亢進している日本人悪性高熱症患者三人から採血してgenomic DNAを抽出し、PCR法を用いて90組のプライマーを作製して106個のエクソン部分を増幅した。そのDNA配列をオートシークエンサーを用いてシークエンス解析し、リアノジン受容体遺伝子タイプ1(RYR1)の全塩基配列を決定した。そのデータを既に明らかになっている正常人のものと比較した。 その結果、三人の患者ともRYR1遺伝子のC末部分の膜貫通領域(R4645Q,P4668S,L4838V)に、アミノ酸の変異を伴う突然変異を発見した。 この三つの突然変異をウサギのRYR1チャネルに導入し、CHO cellに発現し、カフェインに対する感受性を調べたところ、R4645Q,L4838Vで、感受性の亢進がみられた。この変異の存在する場所は、カルシウムチャネルを形成している場所であり、この突然変異によりカルシウムチャネルの機能亢進が引き起こされ、悪性高熱症が発症したと推察される。
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