研究概要 |
末梢神経損傷による脊髄後角における内因性μオピオイド受容体のアゴニスト,エンドモルフィンの変化を明らかにするためにエンドモルフィンを特異的に認識する抗体を用いて免疫組織化学法でその神経系内,中でも痛覚伝導路での発現分布をまず明らかにすることを目的として実験を開始した。しかし,入手したエンドモルフィンの抗体の特異性が低く,脊髄における染色は現在のところ成功していない。代わりに,現在はノシセプチンの抗体を用いて神経損傷による脊髄後角での変化を調べているところである。SDラットの坐骨神経を4回ゆるく結紮することにより神経因性疼痛モデルを作成すし,Von Frey hair-(SW知覚テスター EP-107現有)をもちいて機械的刺激に対する痛覚過敏現象を,熱刺激鎮痛効果測定装置(ウゴバジレ社Planter Test新規購入)をもちいて熱刺激に対する痛覚過敏現象を測定した。痛覚過敏現象を確認後ラットをパラホルム固定し脊髄を切り出した。クライオスタットで凍結切片(15〜20um)を作成した。ノシセプチンの第1抗体,第2抗体,第3抗体を順次反応させ(ABC法),発色後封入検鏡した。現在脊髄後角に発現したノシセプチンの変化を画像解析ソフトを用いて定量化し,神経損傷側と非損傷側で比較し統計学的に分析している。
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