研究課題/領域番号 |
10671414
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
尾原 秀史 神戸大学, 医学部, 教授 (80030998)
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研究分担者 |
仁科 かほる 神戸大学, 医学部, 助手 (20311780)
三川 勝也 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40229662)
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キーワード | 培養細胞 / 肺胞マクロファージ / 肺胞上皮細胞 / 酸素中毒 / エンドトキシン / 接着因子 / サイトカイン / 増殖因子 |
研究概要 |
SDラットにエンドトキシン(10mg/kg/hr)を腹腔内投与し急性肺障害モデルを作成経時的に24時間目までinducible nitric oxide synthase(iNOS)・nitrotyrosine(nTyr)・tumor necrosis factor-α(TNF-α)・growth regulated oncogene(GRO/CINC)のタンパク発現を免疫組識学的に評価した。また肺湿乾重量比、静肺コンプライアンス、気管支肺胞洗浄液中の好中球数を求めた。このモデルに対しリドカイン(2mg/kg/hr)、ケタミン(10mg/kg/hr)、プロポフォール(20mg/kg/hr)の軽減効果を調べた。エンドトキシン投与3〜6時間後に肺胞II型上皮・気道上皮にiNOS・nTyr・TNF-α・GRO/CINCの発現が見られた。リドカイン、ケタミン、プロポフォールはこれらの発現を軽減した。エンドトキシン投与ラットでは6〜24時間まで肺の肺湿乾重量比が大きく気管支肺胞洗浄中の好中球数は6〜12時間で多くなっていた。3薬剤ともこれらの上昇を抑制した。エンドトキシン肺障害ではマクロファージ以外の肺胞・気道上皮などの肺実質細胞自身がTNF-α,GROを産生し好中球に対して作用するものと考えられた。また肺胞・気道上皮細胞において誘導されたiNOSがNOを過剰に産生し細胞障害性の強いperoxynitriteの生成を介して自らを攻撃しているかも知れない。リドカイン、ケタミン、プロポフォールはマクロファージ・好中球のみならず肺胞・気道上皮細胞でのメデイエーター産生を抑えて効果を発揮するのかも知れない。エンドトキシン肺障害において肺胞・気道上皮でTNF-α・GROが産生されまたiNOSが誘導され肺障害の形成に関与していると考えられリドカイン、ケタミン、プロポフォールはこれらの発現を減少させた。
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