研究課題/領域番号 |
10671416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 岡山大学, 医学部, 助手 (40252952)
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研究分担者 |
平川 方久 岡山大学, 医学部, 教授 (70033058)
赤木 玲子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (50150967)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 虚血性急性腎不全 / ヘムオキシゲナーゼー1 / ストレス蛋白 / スズメゾポルフィリン / δ-アミノレブリン酸合成酵素 / ヘム / 腎機能 / 酸化的ストレス |
研究概要 |
虚血性急性腎不全(Ischemic Acute Renal Failure:IARF)は、心大血管麻酔症例術後や出血性ショック後にしばしば見られる合併症であるが、現在の治療法は、生体の恒常性を維持しながら腎機能の回復を待つ保存的療法であり、腎細胞機能の回復を促す積極的治療法は未だ確立されていない。近年、IARFにおいて腎にストレス蛋白(Stress Protein=Heat Shock Protein:HSP)が誘導され、傷害された尿細管細胞の修復を促進することにより腎機能の回復を早めるのではないかと示唆されている。 ヘムオキシゲナーゼ-1(Heme Oxygenase:HO-1)は、ヘモグロビン、ミオグロビンなどヘム蛋白の必須構成要素であるヘム(鉄-プロトポルフィリン体)分解の律速酵素であると同時に、その遺伝子解析により分子量32kdのHSP32でもあることが明らかとなっている。また、HO-1は基質であるヘムのみならず熱刺激、紫外線照射などの酸化的ストレスによって細胞内に誘導され、細胞保護的に機能することが報告されている。一方、IARFにおける尿細管傷害には虚血再灌流に伴い発生する活性酸素が大きな役割を果たしている。以上より本研究では、IARFにおける腎傷害に対してHO-1が生体防御的に働くのではないかとの着想の基に、まず、腎虚血再灌流によるラットIARFモデルを作成し、腎HO-1の誘導を転写レベルで検討した。その結果、腎HO-1 mRNAは回復可能な可逆性IARFにおいて顕著に誘導されることが明らかとなった。次に、誘導されたHO-1の機能的意義を明らかにするために、HOの特異的拮抗阻害剤であるポルフィリン誘導体(スズ-プロトポルフィリン)投与によるHO活性抑制が腎傷害に及ぼす影響を検討した。その結果、HO活性の抑制は、pro-oxidantである細胞内ヘム含量の増加を介して、腎傷害を悪化させたことから、HO-1は細胞に有害な遊離ヘムを分解することにより、IARFに対して腎細胞保護的に働くことが明らかとなった。
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