研究課題/領域番号 |
10671419
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
津野 恭司 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (40163860)
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研究分担者 |
足立 尚登 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (50253315)
多保 悦夫 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (00179871)
土手 健太郎 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (00172239)
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キーワード | 体外循環 / 人工心肺 / 心肺脳蘇生 / 低体温 / 脳虚血 / 大脳感覚誘発電位 / 興奮性アミノ酸 / 過酸化水素 |
研究概要 |
体重約10kgの雑種成犬24頭を用い、体外循環法による正常体温(38℃、A群)、軽度低体温(33℃、B群)、高度低体温(25℃、C群)での心肺脳蘇生への有効性を3群間で比較検討した。60Hz、20Voltの交流電流を5秒間通電して心室細動を発生させて循環停止、全脳虚血とした。15分間の全脳虚血後、常温体外循環を開始し、アドレナリン1.0mgの静注と除細動(200J)を行った。24頭とも容易に心拍が再開し、体外循環法による心肺蘇生の有用性が示された。蘇生直後より、A群では38℃で6時間、B群では33℃で6時間、C群では25℃で1時間、33℃で5時間の体外循環を行った。microdialysisでの脳組織のasparate、glutamate、NO3、H202濃度には3群間に差はなかった。脳波(EEG)、聴性脳幹反応(ABR)、体性感覚刺激反応(SEP)は、全脳虚血で消失した後、3群ともABRは1/3ほどに回復し、EEGは徐波が出現した。しかし、SEPは消失したままで、3群間に差はなく、良くても植物状態となる予後不良が予想された。15分間の全脳虚血モデルは、心肺蘇生に対する体外循環法の有用性は示されたが、脳の高次機能の回復は困難で、軽度低体温、高度低体温の効果も否定的であった。
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