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1998 年度 実績報告書

脊髄内NMDA受容体を介して起こる痛覚過敏のメカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671430
研究機関琉球大学

研究代表者

徳嶺 壌芳  琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (70274909)

研究分担者 奥田 佳朗  琉球大学, 医学部, 教授 (10026883)
比嘉 康敏  琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (00228701)
平良 豊  琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (60144721)
キーワードラット / 痛覚過敏 / NMDA / グルタミン酸
研究概要

平成10年度には、NMDA持続くも膜下投与によるラットの痛覚過敏モデルの作成を行った.
【方法】
くも膜下腔へのカテーテル挿入:ハロセン麻酔下にラットの大槽を切開し、くも膜下腔内に薬物投与用のカテーテルを挿入する。術後5日目に以下の実験を行った.
NMDAのくも膜下持続注入:くも膜下カテーテルより生理食塩水で溶かしたNMDAを10μl/minの一定の速度で注入した.NMDA濃度は3種類(60pmol/min,120pmol/min,180pmol/min)の量となるよう設定した.
痛覚閾値の測定:UCSD式のラット足底熱刺激装置を用いて,足底部に熱刺激を加えてからラットが足を上げて逃避するまでの時間を測定し,これを痛覚閾値とした.測定はNMDA注入開始前と開始後5分毎に測定した.
【結果】
1. NMDA注入量が180pmol/minを超えると自発的疼痛と思われる行動(引っ掻き,噛み付き)が出現した.
2. NMDA注入開始後10分後には注入量が180pmol/min群で逃避時間が約35%低下し,120pmol/min群で約20%低下した.この閾値低下はNMDA注入の間一定に持続しNMDA注入中止後10分でコントロール値に戻った.
3. MK801の前投与,後投与共この痛覚過敏を抑制したが,後投与のED50は前投与のそれの約5倍であった.
【結論】
NMDAをラットくも膜下に持続注入すると容量依存性に足底部の熱に対する痛覚過敏が生じた.この痛覚過敏は180pmol/min以下の投与量では自発痛を伴わなかった.またMK801はいったん中枢性感作が完成した後ではその効果が著しく低下した.
このラットモデルは中枢神経内の変化だけで生じた痛覚過敏モデルであり,脊髄における中枢性感作の研究に有用であると考えている.今後このモデルを用いて各種薬物の効果を検証していきたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Osamu Kakinohana,Yutaka Taira,Manabu Kakinohana,Yoshiaki Okuda,Tony I,Yaksh: "Spinal 2-chroloadenosine administration inhibits thermal hyperalgesia and concurrent glutamate release cvoked by Intrathecal NMDA infusion." Anesthesiology. 89(3A)Sup.A1130-A1130 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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