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1999 年度 実績報告書

モルモット摘出灌流心臓におけるオピオイドの心作用機序

研究課題

研究課題/領域番号 10671434
研究機関札幌医科大学

研究代表者

松本 真希  札幌医科大学, 医学部, 講師 (00173914)

研究分担者 金谷 憲明  札幌医科大学, 医学部, 講師 (10244344)
中江 裕里  札幌医科大学, 医学部, 助手
キーワード細胞内カルシウム濃度 / 心筋カルシウム感受性 / オピオイド受容体 / モルヒネ / 心収縮力
研究概要

1.モルモット摘出拍動心モデルにおいて,左室圧および細胞内Ca^<2+>濃度におけるモルヒネの影響を検討し,さらに,κ,δ_1およびδ_2各オピオイド受容体拮抗薬を用いて,モルヒネの直接的な心作用に対して,どの受容体が主に関与しているかを検討した.モルヒネ(1μM)は,心筋のCa^<2+>感受性を増強させることで,心収縮に有効な細胞内Ca^<2+>濃度の減少にもかかわらず,心収縮力を維持した.モルヒネによる細胞内Ca^<2+>濃度の減少は,主に,κではなく,δ_1およびδ_2受容体を介する作用であることが示唆された.
2.δ_1およびδ_2オピオイド作用薬の直接心作用について検討した.δ_1オピオイド作用薬(TAN-67,1μM)は,左室圧および細胞内Ca^<2+>濃度をともに減少させたが,δ_2作用薬(Deltorphine,1μM)は,左室圧ではなく,細胞内Ca^<2+>を有意に減少させた.これらの作用は,δ_1およびδ_2拮抗薬によりそれぞれ抑制された.また,δ_1およびδ_2作用薬は,左室圧および細胞内Ca^<2+>濃度の関係曲線を有意に左方へ移動させ,心筋のCa^<2+>感受性を増強させた.
3.オピオイドの研究と平行して,静脈麻酔薬であるプロポフォールについても,同様に検討した.プロポフォールは,生理的条件下の臨床適正血中濃度において,心収縮に有効な細胞内Ca^<2+>濃度の減少にもかかわらず,心筋のCa^<2+>感受性を増強させることで,心収縮力を維持した.また,プロポフォールによる有効な細胞内Ca^<2+>濃度の減少は,主に,L型Ca^<2+>チャネルを介したCa^<2+>流入の減少よりはむしろ,筋小胞体におけるCa^<2+>動員の抑制によると考えられた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kanaya N.: "Propotol and ketamine only inhibit intracellular Ca^<2+>transients and contraction in rat ventriculor myocytes at supraclinical concentration"Anesthesiology. 88・3. 781-791 (1998)

  • [文献書誌] Kanaya N.: "Differential effects of tentanyl and morphine on intra cellular Ca^<2+>transients and contraction in rat ventricular myocytes"Anesthesiology. 89・6. 1532-1542 (1998)

  • [文献書誌] Kaneya N.: "Thiopental alters contraction,intracellular Ca^<2+>and pH in rat ventricular myocytes"Anesthesiology. 89・1. 202-214 (1998)

  • [文献書誌] Nakae Y.: "Triggering delay time nd wark of breathing in three paediatric patient-triggered ventilators"Canadian Journal of Anaesthesia. 45・3. 261-265 (1998)

  • [文献書誌] Nakae Y.: "Propotol inhibits Ca^<2+>transients but not contraction in intact guinea pig beaing hearts"Anesthesia & Analgesia. 90(印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 中江 裕里: "シダゾラムのモルモット摘出灌流心臓における細胞内のCa^<2+>濃度に与える影響"日本麻酔・薬理学会誌. 11・2. 31-36 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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