研究概要 |
脊髄手術,大動脈手術時の脊髄障害を未然,または最小限に抑えるため手術中に大脳運動野への経頭蓋的電気刺激によるMyogenic Motor Evoked Potentials(MEPs)による運動機能の評価を行ってきた.MEPsの導入の方法論の改良,確立をほぼ達成し、現在その応用へと研究を進めている.去年度の成果としては,実際の脊髄手術,大動脈手術時の脊髄障害を未然に防げた症例が散見されたことにある.大規模な症例数による予後とMEPsとの関係については未だ検討中であるが,個々の症例において,術中のMEPsの可逆的な変化により術式の決定に至った症例を経験することができた.これらの症例を専門誌に発表する機会も得られている.また,昨年度より進めてきた個体におけるMEPsのValiabilityについての検討,膀胱直腸機能のモニタリング法の確立,などの研究を完了し今年度の日本麻酔学会での発表が決定している. 今年度の計画としては,投与プロポフォールとMEPsの関係をプロポフォールの投与量を変化させたときのプロポフォール血中濃度を実際に測定しMEPs導出,振幅との関係を解明していきたいと考えている.
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