平成10年度 ネコを用いた。笑気-酸素-ハロタン麻酔下にて外科的操作を行い、除脳、L1-2間での脊髄切断を行い、椎弓切除後脊髄を露出した。外科的操作終了とともに100%酸素のみにて調節呼吸を行った。左後肢に興奮性受容野をもつ第五層型細胞活動(WDR細胞活動)は、細胞外微小電極法により導出された。実験を以下の如く3群に分け、WDR細胞活動を観察した。(1)対照群:メスを用いて執刀刺激を加えるために興奮性受容野の中心部領域に約1cmの皮膚切開を加え、90分間観察する。(2)イソフルラン前吸入群:1.5%イソフルランを20分間吸入させた後、約1cmの皮膚切開を同様に行い、誘発発射活動を10分間測定し、その後イソフルランを中止し100%酸素のみにて誘発発射活動を60分間観察した。(3)イソフルラン後吸入群:皮膚切開を同様に行い5分後、1.5%イソフルランを30分間吸入させ、その後、イソフルランを中止し100%酸素のみにて55分間観察した。イソフルラン前吸入群では、皮膚切開1分後の第五層型細胞活動の発射活動とイソフルランの中止後25-30分間のWDR細胞活動の発射活動の平均値を各々イソフルラン後吸入群と前吸入群とで比較した。結果として、執刀刺激によってWDR細胞活動は持続性の興奮活動を示しイソフルラン前吸入群イソフルラン後吸入群ともWDR細胞活動を抑制した。
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