研究概要 |
急性呼吸不全に対し新しい非侵襲的人工呼吸治療法を試みた。 1)肺水腫患者に対し、nasal CPAP群(C群)とマスクによる酸素投与群(O群)に分け検討。C群はO群より早期に心拍数(107to97bpm),平均肺動脈圧(39to27mmHg),1回心拍出量係数(30to39mL/m^2),PaO_2/FiO_2(163to332)を改善(p<0.01)。エンドセリン濃度はC群で6.2から3.3pg/mL(p<0.05)に低下、平均肺動脈圧(r=0.62)とPaO_2/FiO_2(r=-0.46)に有意な相関(p<0.01)を持った。 2)急性心筋梗塞に重症肺水腫を合併した29名について同様に検討した。C群は有意に早期に血行動態を改善、死亡率(C群9%,O群64%,p=0.02)を改善した。 3)Pressure support ventilation下の呼吸不全患者に体外式陰圧換気External high-frequency oscillation(EHFO)を併用した場合、心拍数(103to98bpm),心拍出量係数(3.0to3.3L/min/m^2),平均肺動脈圧(27to24mmHg),末梢血管抵抗係数(1910to1665dyn.sec/cm^5/m^2),PaCO_2(52to46mmHg),PaO_2/FiO_2(164to204),酸素供給量(424to465mL/min/m^2)を改善(p<0.05)。 4)上腹部術後高炭酸ガス血症の患者にEHFOを行った場合PaCO_2(61to48mmHg),PaO_2(74to95mmHg)、1秒量(1.09to1.56L),努力性肺活量(1.90to2.18L)が改善(p<0.05)。 【考案】 今回の研究により非侵襲的人工呼吸療法の有効性が確認された。非侵襲的人工呼吸療法は呼吸不全に対する新しい治療方法となるであろう。
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