研究課題/領域番号 |
10671469
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
林田 英資 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20173049)
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研究分担者 |
牧浦 弥恵子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90293836)
片岡 晃 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80293835)
金 哲将 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10204968)
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80230704)
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キーワード | ウロプラキン / 移行上皮 / PCR / cDNA / 塩基配列 |
研究概要 |
1) 既にわれわれが明らかにしたヒトウロプラキン(UP)II以外のUPファミリーについてcDNA塩基配列の解析を行った。遺伝子バンクを調べたところ、UPIaの遺伝子配列は、ゲノムプロジェクトの一環の成果として既に他のグループによって登録されていた。そこで、残るUPIbとUPIIIについて、PCR法に基づいた遺伝子クローニングを試みた。それぞれについて、ウシUP遺伝子配列を元にして、全蛋白質コーディング領域を含むように特異的プライマーを設計し、PCRを施行した。DNAシーケンサーを用いて、このPCR産物の塩基配列を解析決定した。その結果、ヒトUPIb、UPIIIのcDNA塩基配列は、ウシのそれとそれぞれ93%、85%の相同性を示した。世界の他のグループに先駆けて成功したこれらの成果については、二編の論文中に詳細に述べてある。また、遺伝子バンクへの登録も完了している。 2) 移行上皮癌の担癌患者末梢血中のUP遺伝子の発現、すなわち、血中に存在する癌細胞の検出を試みた。それぞれのUPcDNAに特異的な二組ずつのプライマーを作製し、末梢血から抽出したmRNAを試料にしてnestedRT-PCRを行った。この実験によって、移行上皮癌の患者血液中の癌細胞を初めて証明することができた。これらの結果も、実績1と同様に論文にまとめた。さらに、膀胱癌に対する根治的膀胱全摘除術の術中に、癌細胞が末梢血液中に流出する危険性があることを明らかにした。これらの患者は、術前には血液中のUPは陰性であったことが判明している。この点については、現在症例を重ねつつデータをまとめているところである。
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