研究課題/領域番号 |
10671471
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥野 博 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263079)
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研究分担者 |
羽渕 友則 秋田大学, 医学部, 助教授 (00293861)
筧 善行 京都大学, 医学研究科, 講師 (20214273)
寺地 敏郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50207487)
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
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キーワード | 男子不妊症 / 分子シャペロン / 精子形成 / APG1 / APG2 / CIRP / RBM3 |
研究概要 |
【目的】男子不妊症の病態を分子シャペロンという観点からとらえ、精子形成の機構の解明を遺伝子レベルで解析しようとする目的で、我々がこれまでにマウス精巣から新しく同定したAPG1、APG2、CIRP、RBM3という4種類のストレス蛋白を用い、ヒト精巣からこれらの蛋白をクローニング解析し、これらの分子シャペロンのヒト精巣に於ける発現を検討するとともに、男性不妊症患者での精巣内での発現異常の有無、さらに、これらのヒト染色体の位置を決定しその部位の染色体の異常を検討した。【結果報告】1.APG-1、APG-2のヒトホモローグの単離について:ヒト精巣からRNAを精製し、それからcDNAライブラリーを作製し、マウスのAPG-1、APG-2遺伝子をプローブとしてスクリーニングを行った。その結果ヒトAPG-1、APG-2のcDNAを単離した。2.APG-1、APG-2の遺伝子座について:上記で得られたcDNAをプローブとしてヒト白血球にたいしFISH法を行い、ヒトAPG-l遺伝子座が染色体の4q28に、またAPG-2遺伝子座が5q23,3-q31,1にあることを見出した。3.APG-1、ARG-2の抗体について:GST融合蛋白を作製しウサギを免疫する方法にてマウスのポリクローナル坑APG-1、坑APG-2抗体を作製した。それらはウエスタンプロット法にてヒトAPG-1、APG-2を認識した。4.臨床サンプルの準備について:APG-1,APG-2発現の検討のため京大男性不妊症外来を受診した患者のうちインフォームドコンセントの得られた方から末梢血DNA白血球、さらに必要に応じ精巣生検のサンプルを収集中である。また同時に精巣腫瘍摘出時に得られた組織学的に正常なヒト精巣組織をコントロールとして収集している。また、精液及び、精子についても収集および発現している蛋白につきウエスタンプロット法にて検討を加えている。現在のところ精子の完全な精製及び、精子からの蛋白の抽出に若干問題があり、プロテアーゼインヒビターの種類を数種変更し、あるいはトリクロロ酢酸によって最初に蛋白を固定してしまう方法等を検討している。
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