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1999 年度 実績報告書

腎細胞癌における遺伝子異常の検索

研究課題

研究課題/領域番号 10671472
研究機関大阪大学

研究代表者

野々村 祝夫  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263263)

研究分担者 奥山 明彦  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20093388)
キーワード腎細胞癌 / 遺伝子異常 / CPT-11 / インターロイキン2 / インターロイキン7 / アポトーシス / Fas / 可溶性Fas
研究概要

我々は、腎細胞癌においてある特定の遺伝子に「遺伝子刷り込み異常」という後成的な遺伝子変化の異常が起こっていることを明らかにしているが、後成的な遺伝子変化の異常が腫瘍のどの様な生物学的特性とつながるのかは解明できていない。腎細胞癌の増殖様式をヌードマウスへの移植実験によって検討したところ、新規抗癌剤であるCPT-11が強い抗腫瘍効果を示し、将来的な臨床応用性が期待された。免疫療法に関してもinterleukin2(IL2)やinterferon(IFN)単独では充分な治療成績は得られていない。しかし、腎癌細胞と腎癌患者の末梢血リンパ球とを用いた我々のin vitro実験系では、IL2とIL7の併用によりIL2単独よりも強い殺細胞効果を示し、臨床応用の可能性が示された。また、脳転移がIL2の副作用として生じるのではなく、進行症例においては一定の割合で生じることも我々の研究で明らかになった。我々はアポトーシス関連遺伝子としてのFasシステムに注目し、腎癌細胞ではFasの高発現とFasを介したアポトーシスの誘導が起こり、そのアポトーシスがIFN-γによって増強されることを明らかにした。また、Fas ligandを遺伝子導入したマウス腎癌細胞を同系のマウスに移植すると腫瘍はリンパ球からの攻撃を免れて、より急速に増殖することが明らかになった。さらに、可溶性Fasが腎癌患者血清中に高濃度で検出され、腫瘍径と可溶性Fas値には正の相関があることが明らかとなった。この可溶性Fasは、早期診断や再発診断など臨床上有用なものとなることが期待された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kondo M.ほか: "Enhancement of interleukin2-induced lymphokine activated killer activity by interleukin7 against autologons human renal cell carcinoma"Oncology. 55・6. 588-593 (1998)

  • [文献書誌] Miki T.ほか: "Antitumor effect of irinotecan hydrochloride (CPT-11) on human renal tumors heterotransplanted in nude mice"International Journal of Urology. 5・3. 370-373 (1998)

  • [文献書誌] Harada Y.ほか: "Clinical study of brain metastasis of renal cell carcinoma"European Urology. 36・3. 230-235 (1999)

  • [文献書誌] Igarashi T.ほか: "Interferon-alpha and 5-fluorouracil therapy in patients with metastatic renal cell cancer : an open multicenter trial"Urology. 53・1. 52-59 (1999)

  • [文献書誌] Harada Y.ほか: "WT1 gene expression in human test: cular germ-cell tumors"Molecular Urology. 3・4. 357-363 (1999)

  • [文献書誌] Nonomura N.ほか: "Soluble Fas in serum from patients with renal cell carcinoma"Urology. 55・1. 151-155 (2000)

  • [文献書誌] 野々村 祝夫 ほか: "新図説泌尿器科学 第3巻"メジカルヴェー社,小柳知彦・村井勝・大島伸一 編集. 11 (1999)

  • [文献書誌] 野々村 祝夫 ほか: "泌尿器科腫瘍学入門"日本医学館,冨田善彦 編集. 14 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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