1.大腸菌によるMN/CA9抗原の作製 MN/CA9(G250)抗原のアミノ酸配列と他の抗原のアミノ酸配列においてhomologyの低い領域を選択し、この領域の遺伝子をPCRにて増幅後、PET32c vectorに組み込んだ。このplasmidを大腸菌にtransformation後、蛋白発現を行い、発現蛋白が目的の蛋白であることをSDS-PAGE及びWestern blotにて確認した。 2.家兎によるポリクローナル抗体の作製 上記により作製した蛋白をアジュバントとともに家兎に免役し、採取した血清中の抗体価をELISAにて測定した。その結果免疫抗原に対する抗体が産生されていることを確認した。現在血清をaffinity精製中である。 3.マウスによるモノクローナル抗体の作製 single chain抗体作製のため、抗MN/CA9(G250)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを、すでに作製済みの、MN/CA9発現RENCA細胞cell lysate免疫原として作製した。抗体の反応特異性は、免疫染色及び混合血球吸着法により検査し、従来報告されている抗体と同一であることが確認された。 4.single chain抗体の作製 当初、ファルマシア社製ファージディスプレイ抗体キットを用いて抗MN/CA9(G250)single chain抗体作製を試みたが、目的抗体は得られなかった。このため、上記3にて得たモノクローナル抗体産生ハイブリドーマより抗体遺伝子を分離し、single chain抗体作製のための遺伝子改変を行い、single chain抗体蛋白を大腸菌より得ている。現在、抗体の精製と活性の測定を行っており、今後得られた抗体の臨床応用に向けた検討を予定している。
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