1) KAl-1遺伝子発現プラスミドの作製 ヒト前立腺肥大症患者の手術標本から抽出したRNAを鋳型にRT-PCR法にてKAl-1遺伝子cDNAを増幅した。反応産物をHindIIIで消化したのち発現ベクターpRC/CMV2のHindIIIサイトにサブクローニングした。シークエンス解析によりDNA配列を確認したのち、プラスミドDNAを大量調製した。 2) KAl-1遺伝子の導入 ヒト前立腺癌細胞株LNCoPにリポフェクション法でプラスミドDNAをトランスフェクションした。tronsientに発現させた状態でRNAを抽出しノザンプロットで前立腺特異抗原(PSA)をみると、KAl-1はPSAに影響を与えなかった。次に約1ヶ月間ネオマイシンでセレクションし、コロニーをリング法にてクローニングしstobleなトランスフェクタントを得た。対照プラスミドDNAについても同様にトランスフェクタントを得た。 3) トランスフェクタントの確認と転移抑制の有無 2個の対照と13個のKAl-1発現トランスフェクタントからRNAを抽出しノザンプロットでKA1-1発現を確認した。最も発現の強い2種類のKAl-1発現LNCoP細胞を雄SCIDマウスの背側葉前立腺内に注入した。 マウスの尾静脈から採血しPSAを測定すると確かに上昇しており、腫瘍を形成していることが稚測された。平成11年4月頃にマウスを解剖し転移病巣を病理組織学的に確認し、転移抑制の有無を検討する予定である。
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