研究課題/領域番号 |
10671506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
田中 啓幹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10069015)
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研究分担者 |
松木 道裕 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (00165797)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
山本 徳則 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20182636)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | ATla遺伝子欠損マウス / AT1拮抗薬 / アンギオテンシンII受容体 / ペンシルレンズプローブ型CCD生体顕微鏡 / 腎微小循環 |
研究概要 |
薬剤を用いてangiotensin IIの1型(AT1)受容体をブロックした正常ラットと糖尿病ラットの腎微小循環動態を比較検討した。先ずWistarラット(正常ラット)およびSTZラット(ストレプトロゾシン誘発糖尿病ラット)を用いて、麻酔下にAT1拮抗薬(ロサルタン)の投与による輸入および輸出細動脈に対する拡張作用を観察した。Macro-とmicro-circulationを比較するために、我々の開発したペンシル型ニードル生体顕微鏡で糸球体微小循環パラメーター(輸入・輸出細動脈径)と血行動態パラメーター(脈拍、血圧、腎血流量)を同時に経時的に測定した。AT1拮抗薬は、正常ラットでは輸入細動脈、輸出細動脈を拡張させ、一方、糖尿病ラットでは輸入細動脈に対する拡張作用は消失していたが、輸出細動脈に対する拡張作用は正常ラットと同様であった。結果として、糖尿病ラットでは輸入細動脈/輸出細動脈比が減少していた。本法により、糖尿病ラット腎におけるhyper-fi1trationを示唆する特徴的な輸入細動脈の拡張像を生体下で直接確認することができた。このことから、糖尿病性腎症の病態の一つとしてAIIによる輸入細動脈の収縮性の減弱が関与しているが示唆され、AT1受容体拮抗薬により是正される可能性を究明できた。 次いで、CCDカメラの先端をニードル型(3mm)からペンシル型(1mm)に改良することによってラットと同様の方法でマウスの糸球体微小循環を可視化することに成功した。さらに、高濃度アンギオテンシンII(20μg)を superfusionすることによって特に輸出細動脈血管径が収縮するイメージをリアルタイムに捕えることができた。このイメージング画像をコンピュータ画像処理することによって、糸球体毛細血管の血流速度ベクトル表示を時空間画像として表示することができた。
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