研究課題/領域番号 |
10671513
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
廣井 正彦 山形大学, 医学部, 教授 (60018364)
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研究分担者 |
齊藤 隆和 山形大学, 医学部, 助手 (00272071)
中原 健次 山形大学, 医学部, 講師 (80250934)
齊藤 英和 山形大学, 医学部, 助教授 (90125766)
高橋 俊文 山形大学, 医学部, 助手 (20302292)
伊藤 真理子 山形大学, 医学部, 助手 (40292429)
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キーワード | 卵胞 / 顆粒膜細胞 / steroid産生 / アポトージス |
研究概要 |
1)卵胞・卵細胞の消失とapoptosis 大部分の卵胞は消退し、その中に存在する卵細胞も消失する。その消失の過程をマウス卵胞を用いて電顕的に観察すると、apoptosisに陥った顆粒膜細胞や卵細胞が隣接する正常な顆粒膜細胞が貪食消化することにより処理することを明らかにした。 2)卵細胞とヒアルロン酸 卵細胞はヒアルロン酸に富んだ細胞間基質と卵丘細胞に囲まれて排卵される。ヒアルロン酸合成酵素mRNAをHAS2を対象として検討すると、マウスではhCG投与後2時間で約40倍、63倍とそれぞれ急激に増加し、8時間後には速やかに減少した。ヒトでは卵丘細胞でHAS2mRNAのみが発現がみられ、壁側顆粒膜細胞ではHAS1HAS2、HAS3すべてに発現がみられた。このことより、LHサージ後に卵巣に発現するヒアルロン酸合成酵素はHAS1、HAS2mRNAであり、卵丘塊の形成に関与するのはHAS2mRNAであると考えられる。 3)顆粒膜と卵細胞間のシグナル伝達 糖脂質のうちガングリオシドはシアル酸を含むスフィンゴ糖脂質で、脳などの神経組織に多量に認められ、ある種のシグナル伝達物質であると考えられている。そこでDMSで処理したマウスの卵巣を5種類の抗ガングリオシド抗体を用いて免疫組織染色を行って観察すると、卵胞の発育につれて卵細胞質への発現が高まることより、顆粒膜、卵細胞間のシグナル伝達に関与することが示唆された。 4)受精とCa^<2+> 加齢により受精機構に変化が起こることが知られている。そこでマウス卵の体外培養(in vitro aging)による卵細胞質内Ca^<2+>ストアの変化をCa^<2+>蛍光指示薬fura-PE3AM3μMを負荷しCa^<2+>測定装置にて観察を行うと、in vitro agingによる小胞体Ca^<2+>ストアが減少することが明らかになった。
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