良性疾患の適応で子宮摘出となった子宮より、患者の同意の元に子宮内膜を採取し、Satyaswaroop等の方法により、上皮細胞と間質細抱を分離した。両面培養用type-1コラーゲン膜(高研)に上皮細胞を培養し、間質細胞はプレート上に培養した後2日目に継代培養し、上皮の裏面に培養した。この日を0日目としこれよりエストロゲン添加を1週間行い、その後2週間エストロゲンおよびプロゲステロンの環境下とした。 培養液は5%FCS添加RPMlとし、培養上清中のプロラクチン濃度は間質細胞の脱落膜下の指標として、随時測定し検討している。また、各日付で位相差顕微鏡にて形態学的観察を詳細に行いin vitro子宮内膜日付診を検討中である。エストロゲンおよびプロゲステロンの環境下で上皮細胞中に核下空胞が観察され、上皮の分化に間質は促進的に働くことを証明したい。一方、免疫組織学的検討として両面培養したコラーゲン膜をアセトンにて固定した後、3%過酸化水素処理し、Blocking solutionの後に、ER、PR、ki-67に対する1次抗体を反応させ、ストレプトアビジン-ビオチン-ペルオキシダーゼ法にて各蛋白質の発現の有無を上皮および間質において位相差顕微鏡下で検討中である。この系でエストロゲンおよびプロゲステロン濃度を変化させ、レセプター発現に対する用量依存性についても検討を加える予定である。エストロゲン単独の環境下でERおよびPR発現量は上皮・間質両組織で用量依存性に増加し、同時に両組織中の盛んな細胞分裂をki-67の組織免疫で確認できるか検討中である。
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