研究概要 |
1, シスプラチン耐性細胞株に対するタキソールの有効性の検討:卵巣癌細胞株TYK,Nakajima,HRAの3株およびそのシスプラチン耐性株TYK-R,Nakajima-R,HRA-Rを使用した。MTT assayにより親株および耐性株のシスプラチンに対するIC50を再評価した。今後タキソール、エトポシド、CPT-11に対するIC50を測定する。これによりどの抗癌剤が耐性株に有効なのか、タキソールはシスプラチン耐性細胞においても有効性を発揮すのかを評価する。 2, 抗癌剤投与によるアポトーシスの関与に関する検討:各種抗癌剤添加時に、各細胞株からDNAを抽出し、アーガロースゲル電気泳動によりDNA fragmentationが観察された。今後TUNNEL法によっても確認する。 3, アポトーシス関連分子のRNAタンパク質解析:各細胞株からRNA、Total cell lysateを抽出し、bcl-2,p53,p21,bax,Fas,の発現をRNAレベル、タンパク質レベルで解析し、親株と耐性株での差異を検討した。シスプラチンに対する耐性獲得過程において、bcl-2の発現増強、p53の発現低下が観察された。さらに各種抗癌剤投与時にこれら分子にどのような変化が起こるのかを検討する。 4, Bcl-2タンパクのリン酸化に関する検討:今後Bcl-2タンパクに関して、各種抗癌剤添加時にリン酸化が起こっているのかをウェスタン解析により検討し、Bcl-2のリン酸化と抗癌剤の有効性との関係を解析する。
|