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1998 年度 実績報告書

妊娠時の糖脂質代謝調節における脂肪細胞の意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671532
研究機関三重大学

研究代表者

豊田 長康  三重大学, 医学部, 教授 (40126983)

研究分担者 伊東 雅純  三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (00159914)
キーワードレプチン / mRNA / ラット / 妊娠 / 産褥
研究概要

週齢を一致させた妊娠・産褥ラットを用いて、血清レプチン値と傍子宮脂肪組織のleptin mRNA発現量、および胎盤のleptin mRNA発現の有無を調べた。さらに、妊娠・産褥の各時期の食欲、脂肪量とレプチン値との関連について検討した。7週齢の雌性ラットを購入し、11週齢に達した妊娠5、10、15、20日、産褥授乳群5、10日、産褥非授乳群5、10日のラットを作成した(各々n=5)。非妊娠のコントロールとして休止期の11週齢virgin雌ラットを用いた。妊娠5、10、15日の血清レプチンレベルは、非妊娠コントロール(3.4±0.2ng/m1)に比べて有意な変化は認められなかった。妊娠20日には非妊娠の2分の1に低下した(1.8±0.2ng/ml)。産褥授乳群5日には妊娠20日よりさらに低下し(0.7±0.2ng/ml,p<0.01)、産褥10日でも低い血清レプチン値のままであった。しかし、産褥非授乳群では産褥5日、10日ともに非妊娠群の値と有意な差はなかった。傍子宮脂肪組織のleptinm RNAの発現量も血清レプチンレベルと同様の変化を示した。また妊娠15日目の胎盤では、leptin mRNAの発現を認めたが、その量は少なかった。摂食量は、妊娠20日に有意に増加し、産褥授乳群5、10日ではさらに増加した。しかし、産褥非授乳群5日は非妊娠群と有意差はなかった。腹腔内脂肪量は、妊娠中は非妊娠群と比べて有意な変化はなく、産褥授乳群は有意に減少した。産褥非授乳群は非妊娠と比べて有意な変化はなかった。これらの結果より、ラットの妊娠・産褥期の血清レプチン値には、脂肪細胞からのleptin mRNA発現量と、さらに産褥期には腹腔内脂肪量の変化が共に影響を及ぼすと考えられた。妊娠末期と産褥授乳群の血清レプチン値は、非妊娠群や非授乳群と比べて明らかに低下し、摂食量の変化はレプチン値の変化に合っていた。これらの変化は、妊娠末期の急速な胎児の発育と産褥の授乳のためのエネルギー獲得にとって有利に働くと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yumiko Terada,et al.: "Serum leptin levels do not riseduring Pregnancy in age-matchced rat" Biochemical and Biophysical Research Communications. 253. 841-844 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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