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1998 年度 実績報告書

胎児期に発生する中枢神経障害の病体の解明と新たな評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10671535
研究機関大阪大学

研究代表者

木村 正  大阪大学, 医学部, 助手 (90240845)

研究分担者 橋本 一昌  大阪大学, 医学部, 助手 (80301266)
徳川 吉弘  大阪大学, 医学部, 助手 (70283786)
大橋 一友  大阪大学, 医学部, 講師 (30203897)
東 千尋  大阪大学, 医学部, 講師 (20151061)
村田 雄二  大阪大学, 医学部, 教授
キーワード酸化ストレス / 8-oxoグアニン / Mut-T
研究概要

妊娠後期から分娩時における、胎児脳虚血発生時には、成人の脳虚血発生時の病態から類推して、虚血そのものよりむしろ虚血後の再灌流時に供給される酵素より発生するフリーラジカルが、脳組織への障害を引き起こすと考えられている。一方、フリーラジカルが組織傷害をおこすと、その一部は核内染色体DNAに作用し、又細胞内ヌクレオチドプールにも作用し、グアニン残基の8-oxo化を引き起こす。今回我々は酸化ストレスの指標として8-oxoグアニン量を正確に測定するため以下の実験を行った。脳の酸化ストレスを直接組織を取って解析することは、ヒトでは非現実的なので、脳脊髄液を用いて解析するために、同じように酸化ストレスを受け続ける胎盤由来の8-oxogグアニンを羊水で評価することを試みた。その結果、羊水中の8-oxoグアニンを特異的モノクローナル抗体を用いた酵素免疫測定法で測定することに成功した。その量を正常発育群とIUGR群で比較すると、正常群69.4ng/mlに対し、IUGR群26.9ng/mlと有意に低値を示した。これは周産期事象に関連する病態で、8-oxoグアニン量に差があることを示している。この際のIUGRにおける8-oxoグアニン量の低下は慢性的な低酸素症による酸化ストレスの低下を示している。また遊離8-oxoグアニンを加水分解する酵素Mut-Tの発現は、その組織中で酸化ストレスに対する耐性を反映している。我々はこの発現をRTPCR法を用いて検出する系を確立し、実際にヒト胎盤を用いてその発現量を検討した。すると正常発育群に比べてIUGR群でその発現が低下していることを証明した。これら確立された手法は、今後の胎児、新生児における脳虚血-再灌流時における酸化ストレスを評価する重要な指標として用いることが可能である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shimoya,K,et al: "Effect of sexual intercourse on fetal fibronection in cervicovaginal secretions" Am.J.Obstet.Gynecol.179. 255-256 (1998)

  • [文献書誌] Shimoya,K,et al: "Regulation of placental monocyte chemotactic and activating factor during pregnancy and chorioamnionitis" Mol.Hum.Reprod.4. 393-400 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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