研究課題/領域番号 |
10671539
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
金森 康展 鳥取大学, 医学部, 助手 (70283984)
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研究分担者 |
寺川 直樹 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
紀川 純三 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00177784)
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キーワード | 卵巣癌 / アポトーシス / 抗癌剤耐性 / シスプラチン / p53 |
研究概要 |
アポトーシス誘導シグナル伝達系の制御による抗癌剤耐性卵巣癌治療の基礎的知見を得ることを目的として、シスプラチン(CDDP)耐性細胞株およびp53欠損卵巣癌細胞株SK-OV-3細胞を用いた実験から以下の知見を得た。1.P53遺伝子導入による抗癌剤感受性への影響(1)p53蛋白機能が抑制されているHeLa細胞およびSK-OV-3細胞ではp53遺伝子(AxCAp53)導入により細胞増殖抑制とCDDP感受性増強がみられたのに対して、CDDP耐性HeLa細胞(HeLa/CDDP細胞)では細胞増殖抑制もCDDP感受性増強もみられなかった。(2)HeLa細胞、HeLa/CDDP細胞、SK-OVー3細胞でAxCAp53導入によるpaclitaxelの感受性増強はみられなかった。2.抗癌剤とp53遺伝子導入併用によるアポトーシス誘導とアポトーシス関連遺伝子・蛋白の動向(1)equitoxic doseのCDDP、VP-16によるアポトーシス誘導時、SK-OV-3細胞ではp53遺伝子下流のBax蛋白発現の増強が観察され、AxCAp53導入によりDNA断片化を生じ、抗癌剤との併用によりDNA断片化率は上昇し、Bax蛋白発現はさらに増強した。一方、HeLa細胞、HeLa/CDDP細胞においては、抗癌剤暴露によるBax蛋白発現の増強は認められず、AxCAp53導入またはCDDPとの併用によりp53蛋白の過剰発現がみられたが、ICE遺伝子の発現とDNA断片化はHeLa細胞においてのみ認められた。(2)HeLa/CDDP細胞およびCDDP耐性上皮性卵巣癌細胞KFr細胞は共にpaclitaxelに対する随伴感受性を示したがいずれも親株に比較してDNA断片化は軽度であった。また、HeLa細胞、HeLa/CDDP細胞でpaclitaxelとAxCAp53併用によるDNA断片化の増強はみられず、Bax蛋白発現も観察されなかった。以上の成績から、CDDP耐性細胞はp53依存性および非依存性にアポトーシス耐性に陥っていること、paclitaxelによるアポトーシスはp53非依存性シグナル伝達系を介している可能性が示唆された。現在、移植腫瘍in vivoの系でAxCAp53導入による抗癌剤感受性への影響とアポトーシス誘導について検討中である。
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