研究分担者 |
吉野内 光夫 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50261235)
宮木 康成 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10273989)
児玉 順一 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90263582)
工藤 尚文 岡山大学, 医学部, 教授 (90127556)
奥田 博之 岡山大学, 医学部, 教授 (30033286)
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研究概要 |
1)まずIGF-Iレセプター遮断による抗腫瘍効果を婦人科癌で検討するため,ヒト子宮頚癌由来のSiHa,HeLa S3,C33A各細胞にIGF-Iレセプターに対するアンチセンスmRNA発現ベクターを恒久的に遺伝子導入したクローンを作成し検討した.HPVのステータスが異なる3種の細胞全てにおいて,単層培養での増殖能を軽度に抑制し,足場非依存性増殖能とヌードマウスでの腫瘍形成能を著しく抑制する事を実証した.この成果は第90回アメリカ癌学会で発表し,Cancer Research誌に掲載された. 2)次にbystander効果が期待され,アンチセンスよりも臨床応用の上でより有用と考えられるSoluble IGF-1レセプターの検討に移った.ヒト卵巣癌由来のCaOV-3細胞にSoluble IGF-Iレセプターを恒久的に遺伝子導入したクローンを作成した.遺伝子導入クローンではSoluble IGF-Iレセプターはcell lysateとconditioned mediumの両者より約70kDaの蛋白として検出された.Soluble IGF-Iレセプター導入クローンの足場非依存性増殖能は著明に抑制され,また各クローンから得たconditioned mediumより作成した軟寒天培地に親細胞を植えたところ,強力なbystander効果を認めた.ヌードマウス皮下移植では,導入クローンの腫瘍形成能は失われ,親細胞と共培養するとin vivoでもbystander効果を認めた.各クローンのpaclitaxel感受性をコロニー形成試験にて検討したところ著明に増強された.導入クローンではpaclitaxel接触によりアポトーシスを生ずる細胞の率が有意に高く,IGF-Iレセプターが本来持つ抗アポトーシスSoluble IGF-Iレセプター作用がSoluble IGF-Iレセプターにより阻害された為と考えられた.これら一連の結果は第5回国際IGFシンポジウム,第52回日本産科婦人科学会総会,第59回日本癌学会ミニシンポジウム,第38回日本癌治療学会,そして第92回アメリカ癌学会等で発表し,現在投稿したところである。
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