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1998 年度 実績報告書

母体血中胎児有核赤血球前駆細胞を用いた胎児診断の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10671546
研究機関広島大学

研究代表者

三春 範夫  広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30253082)

研究分担者 中田 奈央  広島大学, 医学部・附属病院, 医員
キーワード出生前診断 / 胎児赤血球 / fluoressence in situ hybridization / FISH
研究概要

非侵襲的な出生前診断の臨床応用を目指し、母体末梢血中を循環している胎児赤芽球を培養し増殖することを試みた。[方法]1.男児の臍帯血を用い、以下の方法で培養胎児赤芽球を用いたFISH法による性別診断の可能性を検討した。すなわち、妊娠満期で出生した正常男児の臍帯血5mlを用い、比重遠心法にて単核細胞を分離した。それらの単核細胞をエリスロポエチン5U/mlを含む半固形培地中で10日間培養した後赤芽球系コロニーを回収後スライド上に固定し、FISH法に供した。FISH法はDNAprobeとしてDXZ1、DYZ1を用いたdual-color法で行い、蛍光顕微鏡下にシグナルの判定を行った。2.妊娠18週、30週、37週の男児を妊娠中の女性3名の末梢血20mlを採取した。また、妊娠歴のない女性1名からも同様に末梢血20mlを採取しコン卜ロールとして用いた。これらを、前述の方法で10日間培養したのちFISH法に供し、DYZ1陽性の胎児由来細胞が存在するか否かを検討した。[結果]1.男児の臍帯血では、培養5日目頃より赤芽球系コロニーが出現し始め、経時的にコロニーの大きさは増大していった。これらのコロニーを回収しFISH法に供したところ、XとYのシグナルが1つずつ観察された。2.妊娠中の女性3名の末梢血20mlでは培養10日目の時点で赤芽球系コロニーの数は200-400個に達し、妊娠週数および妊娠の有無による差はなかった。これらのコロニーを回収しFISH法に供したところ、すべての症例でXのシグナルのみが観察され、Yのシグナルは検出されなかった。すなわち得られた細胞はすべて母体由来の赤芽球と考えられた。したがって、本法で出生前診断を行うには、胎児赤芽球に特異的な培養方法の確立が必要と考えられた。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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