• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

母体血中胎児有核赤血球前駆細胞を用いた胎児診断の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10671546
研究機関広島大学

研究代表者

三春 範夫  広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30253082)

研究分担者 吉本 真奈美  広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40314760)
キーワード出生前診断 / 性別診断 / PCR / 血清 / 血漿
研究概要

妊娠初期における母体血清中の胎児DNAを用いた出生前診断法の有用性を検討した。[方法]当科で妊婦検診を受けた妊婦のうち同意の得られた正常妊娠81例(妊娠5週から10週、平均:8週3日)を対象とした。妊婦の同意を得たうえで6mlから10mlの末梢血を採血した。その後、血清を分離しQiagen社のQIAamp DNA Blood Mini Kitを用いてDNAを抽出した後、PCR法を用いてY染色体に特異的な遺伝子領域DYS14(198bp)検出を行って性別判定を行った。また、男児と判定された症例についてABIPRISM7700Sequence Detection Systemを用いて性決定遺伝子SRYを定量し、β-Globin遺伝子を外部標準として母体血清中の胎児DNA量を算出した。[結果]81例中、40例が男児でこのうち38例(95%)で血清中にDYS14が検出された。DYS14が検出されなかった男児2例は妊娠5週および6週に採血した症例であった。一方、41例の女児ではいずれもDYS14が検出されなかった。また、男児と判定された38例のうち23例における胎児DNAの定量的評価では、母体血清中DNAにしめる胎児DNAの割合は0.046から3.65%(平均;0.87%)であった。[結論]妊娠初期には母体血清中に1%弱の割合で胎児DNAが存在していることが判明し、PCR法を用いたDYS14検出による胎児性別診断は伴性劣性遺伝性疾患のスクリーニング検査として有用であることが示された。しかし、妊娠6週以前では胎児DNA量が少ないため偽陰性になる可能性があり妊娠7週以降にこれを実施することが望ましい。臨床応用する場合には今後さらに症例数を増やし偽陰性率に関する詳細な検討を行う必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 大濱紘三: "母体血中の胎児DNAの検索-性別診断と伴性劣性遺伝性疾患スクリーニング検査としての有用性-周産期医療の新しい知見"産婦人科の世界. 52. 25-29 (2000)

  • [文献書誌] HIROSHI HONDA: "Successful Diagnosis of Fetal Gender Using Conventional PCR Analysis of Maternal Serum"Clinical Chemistry. 47・1. 41-46 (2001)

  • [文献書誌] YOKO OHASHI: "Quantitation of fetal DNA in maternal serun in normal and aneuploid pregnancies"Human Genetics. 108. 123-127 (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi