研究概要 |
平成12年度の研究では、卵巣におけるInterleukin-1 β converting Enzyme(ICE)の産生を調節する因子について、卵巣細胞培養系を用いて、各種ホルモン、サイトカイン等を添加することにより、卵巣培養細胞でのICEmRNAの発現量の変化を目安にして検討し,以下の結果を得た。 25日齢幼若雌ラットから採取した卵巣細胞培養系の中に、視床下部・下垂体ホルモン、卵巣性ステロイドホルモン、卵胞発育に関与するサイトカインを添加し、ICEmRNAの発現量の変化を検討した。mRNAの測定はRNase protection assayを用いて行った。 1)視床下部・下垂体ホルモンでは、GnRHがICEmRNAの発現を約140%、卵巣性ステロイドホルモンでは男性ホルモンであるアンドロゲンがICEmRNAの発現を約160%、サイトカインではTNFαがICEmRNAの発現を約200%に増加させた。 2)デキサメサゾンはICEmRNAの発現を60%に減少させた。 以上より、卵胞閉鎖に関与することが知られているGnRH、アンドロゲン、TNFαは、ICEmRNAの発現を増加させることにより、アポトーシスの活性さる可能性化が明らかとなり、ICEを介したアポトーシス機構が卵胞閉鎖に関与する可能性が示唆された。
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