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1999 年度 実績報告書

卵管性不妊症におけるチロシンキナーゼ遺伝子発現と病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 10671555
研究機関長崎大学

研究代表者

石丸 忠之  長崎大学, 医学部, 教授 (20039580)

研究分担者 山下 俊一  長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
松山 俊文  長崎大学, 医学部, 教授 (30165922)
キーワード卵管 / 不妊症 / チロシンキナーゼ / 虚血再潅流
研究概要

卵管血流と卵管機能の関係を調べ、卵管不妊症の病態を解明するため、ヒト、家兎、マウスの卵管を用いて研究を行った。正常ヒト卵管の血管密度と血管新生能を免疫組織化学的に検討し、妊娠期卵管では、血流増加を反映し、血管の拡張と血管新生が生じていることを初めて報告した。家兎卵管慢性虚血モデルを作製し、卵管留水症は、固有襞の壊死によって発症し、虚血と卵管液中一酸化窒素濃度と関連することを初めて報告した。
次にマウスを用いて、子宮動脈虚血再潅流モデルを作製し、これが、月経モデルとして有用であることを初めて報告した。本モデルにおいて、卵管は一部留水症様に拡張したり、癒着、閉塞像を示した。卵管上皮傷害はアポトーシスによることをTUNEL,電顕で確認した。卵管の血流障害が、臨床上みられる卵管性不妊症患者の病態に酷似した組織像を示すことが示され、新しい卵管不妊症モデルとして有用であることを示した。本モデルの解析の結果、虚血再潅流で腫瘍性壊死因子や誘導性一酸化窒素合成酵素のmRNAが発現することが示され、腫瘍性壊死因子受容体(p55)欠損マウスでは、子宮内膜、卵管障害が抑制されたことから、腫瘍性壊死因子がその病態に重要であることが判明した。
卵管傷害後の再生機序についても検討し、一定期間に固有襞が再生することを組織学的に示した。この上皮再生に関与するチロシンキナーゼ型受容体プロフィールを同定する目的で、Degenerated primerを用いたRT-PCR法を行った。その結果得られたチロシンキナーゼ型受容体プロフィールのなかで、肝細胞成長因子をリガンドとするc-metに注目し、この機能解析を行った。c-met mRNA、蛋白は虚血再潅流後早期に卵管上皮に発現していた。c-met抗体投与後、卵管の再生は著しく抑制され、c-metが卵管の再生に重要であることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 岡崎 光男: "卵管上皮の血管新生に関する検討"日本受精着床学会雑誌. 16(1). 96-98 (1999)

  • [文献書誌] 岡崎 光男: "卵管上皮の増殖能とアポトーシスに関する検討"散婦人科マイクロサージャリー学会雑誌. 12. 24-27 (1999)

  • [文献書誌] 岡崎 光男: "家兎阻血性卵管留水症モデルのリモデリングを介した発症機序の検討"日本受精着床学会雑誌. 17(1). 254-257 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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