研究概要 |
【1】進行子宮頚癌に対する放射線・化学療法同時併用治療の成績 【目的】子宮頚癌の放射線・化学療法同時併用治療成績から、腫瘍径の大きさ、リンパ節腫大の有無、部位に焦点をあて無病生存率、再発部位について解析した。【方法】対象は47例、期聞は1997.6〜2000.12、組織型は扁平上皮癌のみとした。進行期の症例数はII期10、III期34、IVa期3例であった。リンパ節腫大があったのは28例で、その内傍大動脈リンパ節(PAN)または総腸骨リンパ節腫大がみられたのは9例であった。【成績】1.3年無病生存率は腫瘍径7cm未満と以下で、68/28%(P<0.01)、リンパ節腫大あり、なしで、71/32%(P<0.05)2.局所再発率は腫瘍径7cm未満と以上で17/29%、リンパ節腫大なし、ありで5/32%(P<0.05)、3.遠隔再発率は腫瘍径7cm未満と以上で17/59%(P<0.01).【結論】腫瘍径が7cm未満、またはリンパ節腫瘍なしでは、3年無病生存率は約70%と良好であった。しかし、腫瘍径が7cm以上では、遠隔再発率が高く、無病生存率は有意に不良であった。 【2】子宮頚癌におけるHPV型と放射線治療効果との関連性および新たなlow risk型の設定 [目的]頚癌原発巣のhuman papillomavirus(HPV)型を分析し、放射線治療の効果と予後との関連性を解析した。[方法]1994年から1998年まで放射線治療を行った頚癌Ib1期以上の118例(HPV陽性の扁平上皮癌)を対象とし、治療前にHPVの検索を行った。[成績]HPV型別分析で、high-risk(16,18,45,56)、intermediate-risk(31,33,35,52,58)群、他の53,59,66,70,73,80型を本研究のlow-risk型として検討した。III期においてhigh-risk群の生存率がintermediate, low-risk群と比較して有意に低かった(P=0.016)。[結論]頚癌のHPV型をdirect sequenceにて解析した結果、15型が同定され、high-risk型陽性頚癌は放射線抵抗性であることが示された。
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