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1998 年度 実績報告書

卵巣癌の発生に関与する癌抑制遺伝子の単離と微小転移の遺伝子診断に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671567
研究機関自治医科大学

研究代表者

鈴木 光明  自治医科大学, 医学部, 助教授 (50110870)

研究分担者 斎藤 督  (株)エスアールエル遺伝子, 染色解析センター, 主任研究員
大和田 倫孝  自治医科大学, 医学部, 講師 (40203955)
キーワードovarian cancer / tumor suppressor gene / 6q27LOH / AF-6 / p53 / micrometastasis / immunohistochemistry
研究概要

6番染色体長腕(6q27)に存在する卵巣癌候補癌抑制遺伝子の研究において,エクソントラッピング法やコンピュタープログラムを用いたエクソン解析などにより,この部位にAF-6遺伝子の存在が確認された。AF-6遺伝子は,6q27の約110kbの領域に存在し,28個のエクソンから構成される。
73例の上皮性卵巣癌を対象に6q27LOHを検討したところ,64例のinformative症例のうち26例(41%)にLOHが認められた。組織型別では,serous carcinomaで53%(20/38)であったのに対してmucinous carcinomaでは23%(6/26)で,前者で有意に高率であった(p<0.05)。すなわちAF-6の異常(6q27LOH)はserous carcinomaの発生,進展と関係が深いことが示唆された。なお6q27LOHの有無と癌の悪性度(生存曲線)との間には相関は見られなかった。
卵巣癌におけるp53の遺伝子異常(SSCP-sequence)はおよそ40%の症例で認められたが,免疫染色(モノクローナル抗体DO7)による異常発現例はそれよりも多く,約60%に見られた。すなわち,免疫染色による異常発現例は必ずしも遺伝子異常をともなうわけではないことが確認された。また卵巣癌原発巣でp53の異常発現が見られた症例について,ホルマリン固定,パラフィン包埋組織でリンパ節を対象に免疫染色を行ったところ,通常のHE染色ではリンパ節転移陰性とされた症例になかにもp53陽性細胞が散在性に見られる症例のあることが判明した。すなわちリンパ節微小転移の可能性がある症例の存在が示唆された。今後は,このような症例の予後を追跡し,リンパ節p53陽性(微小転移?)が予後因子となりえるかを検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Suzuki,M.: "Loss of heterozygosity on chromosome 6q27 and p53 mutations in epithelial ovarian cancer" Med.Oncol.15. 119-123 (1998)

  • [文献書誌] Suzuki,M.: "Immunohistochemical investigation of thymidylate synthase in cervical cancer" Oncology. 55. 564-568 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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