研究課題/領域番号 |
10671577
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
安田 勝彦 関西医科大学, 医学部, 助教授 (90174507)
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研究分担者 |
神谷 敬雄 関西医科大学, 医学部, 講師 (10224677)
神崎 秀陽 関西医科大学, 医学部, 教授 (80135566)
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キーワード | 血小板活性化因子 / 血小板活性化因子受容体 / 血小板活性化因子不活化代謝因子 / 子宮筋収縮 |
研究概要 |
1 マグヌス管を用いてウイスター系非妊娠または妊娠ラットの子宮筋の血小板活性化因子、オキシトシン、プロスタグランジンに対する感受性を検討したところ、非妊娠子宮筋では血小板活性化因子、オキシトシンに対する感受性はほとんどみられなかったが、プロスタグランジンに対しては感受性を認めた。一方、妊娠ラット子宮筋では、プロスタグランジンに対する感受性は非妊娠子宮筋と同程度であったが、血小板活性化因子、オキシトシンに対する感受性は妊娠経過とともに増加した。ラット妊娠後期子宮筋では強い自然収縮(自動収縮)がみられるが、この収縮はプロスタグランジン合成阻害剤のインドメサシンでは部分抑制され、血小板活性化因子拮抗剤(TCV309)、β2刺激剤(塩酸リトドリン)では完全に抑制された。しかし、NOではほとんど抑制されなかった。 2 マグヌス管を用いてヒト子宮筋の収縮を検討したところ、ヒト非妊娠子宮筋はラット非妊娠子宮筋と同様、血小板活性化因子やオキシトシンに対する感受性はみられなかったが、プロスタグランジンに対しては感受性がみられた。一方、妊娠後期子宮筋(陣痛未発来)ではオキシトシンやプロスタグランジンに対する感受性は増大していたが、血小板活性化因子に対する反応性はほとんどみられなかった。また、非妊娠子宮筋においても自然収縮がみられたが、この収縮はTCV309では抑制されなかった。しかし、β2刺激剤やインドメサシンでは部分抑制され、NOでは完全に抑制された。 3 ノーザンブロッテイングにて血小板活性化因子受容体を検索したところヒト妊娠後期子宮(陣痛未発来)ならびに非妊娠子宮において受容体のmRNAの発現を認めたが、有意な差を認めなかった。 4 ウエスタンブロッテイングにて非妊娠子宮ならびに妊娠後期子宮(陣痛未発来)の組織型(細胞質型)血小板活性化因子代謝酵素のサブユニットを検討したところ、α1サブユニットの発現は認めず、α2ならびにβサブユニットの発現を認めた。α2サブユニットは妊娠後期子宮で有意に減少しており、酵素活性も同様に有意に減少していた。しかし、βサブユニットでは有意な変化はみられなかった。
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