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1999 年度 実績報告書

蝸牛のイオン輸送機構におけるGap Junctionの機能的意義-分子生物学的解析-

研究課題

研究課題/領域番号 10671581
研究機関長崎大学

研究代表者

菊地 俊彦  長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (70177799)

研究分担者 田中 藤信  長崎大学, 医学部, 助手 (00284688)
小林 俊光  長崎大学, 医学部, 教授 (80133958)
キーワードgap junction / connexin26 / Na,K-ATPase / Na-K-Cl cotransporter / endolymphatic potential / Brain-4
研究概要

1)免疫組織化学的手法を用いて、マウス内耳におけるNa,K-ATPase,Na-K-Cl cotransporter、およびconnexin26の分布について解析を行なった。Na-,K-ATPaseおよびNa-K-Cl cotransporterは血管条辺縁細胞、ラセン靭帯typeII fibrocyteおよびuprastrial zoneのfibrocyteに強い活性を有することが明らかとなった。またconnexn26のはラセン靭帯fibrocyte間、血管条基底細胞に沿った領域に密に分布していることが判明した。
2)マウス蝸牛の生後発生過程におけるNa,K-ATPaseおよびconnexin26の発現様式についても検索を行なった。マウス蝸牛においては生後0日では充分な内リンパ電位は形成されておらず、生後約2週間でadult levelに達することが知られている。生後0日から30日までのマウスラセン靭帯fibrocyteにおけるNa,K-ATPaseおよびconnexin26の発現様式に着いて検討したところ、内リンパ電位の形成過程に極めてよく一致していることが判明した。このことから内リンパ電位の形成ならびにその維持機構においてgap junction networkが極めて重要な役割を担っていることが実証された。
3)転写因子の一つであるBrain-4のノックアウトマウス(癌研究所との共同研究にて作成)において内リンパ電位の著明な低下がみられることを見い出し、さらにこの動物においてラセン靭帯fibrocyteの障害が観察された。このことより、ラセン靭帯fibrocyteが内リンパ電位形成において極めて重要な役割を担っていることを実証することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kikuchi T,Kimura RS,Paul DL,Takasaka T,Adams JC.: "Gap j unction systems in the mammalian cochlea"Brain Research Reviews. 32. 163-166 (2000)

  • [文献書誌] Xia A-P,Kikuchi T,Hozawa K,Katori Y,Takasaka T.: "Expression of connexin 26 and Na,K-ATPase in the developing mouse cochlear lateral wall: functional implications"Brain Reserch. 846. 106-111 (1999)

  • [文献書誌] Minowa O,Ikeda K,Sugitani Y,Osbima T,Nakai S.,Katori Y,Suzuki M,Furukawa M,Kawase T,Zheng Y,Ogura N,Asada Y,Watanabe K,Yamanaka H,Gotoh S,Nishi-Takeshima M,Hamada H,Sugimoto T,Kikuchi T,Takasaka T,Noda T.: "Altered cochlear fibrocytes in a mouse model of DFN3 nonsyndromic deafness"Science. 285. 1408-1411 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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