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1998 年度 実績報告書

各種サッケードの三次元解析

研究課題

研究課題/領域番号 10671582
研究機関山形大学

研究代表者

中村 正  山形大学, 医学部, 助教授 (10125776)

キーワードサッケード / 急速眼球運動 / 斜向性サッケード / 眼球運動解析 / 三次元解析
研究概要

今年度は、正常被験者を対象にして、反射性サッケード(以下サッケード)に関して、水平、垂直、回旋の3次元的な軸に対する眼球運動のうち、水平、垂直軸の眼球運動の解析を中心に検討を行った。
スクリーン上の正中、左右10、20、30度の位置に配置された7点のスポットを随時点灯させ、被験者がその視標を固視することによりサッケードを惹起させた。スクリーンを水平、水平から30度、45度、60度、垂直に傾け、水平性、垂直性および斜向性サッケードを観察し、その水平および垂直眼球運動を比較検討した。その生理学的な特徴として以下の新知見を得た。
1.垂直性サッケードは水平性サッケードに比べ、有意に速度の低下が見られた。2.水平性サッケードと斜向性サッケードの水平眼球運動解析では、スクリーンの傾きが垂直に近づくにつれ、速度の低下が認められた。3.垂直性サッケードと斜向性サッケードの垂直眼球運動解析では、スクリーンの傾きが水平に近づくにつれ、速度の上昇を認めた。
眼球運動は水平軸および垂直軸の2系統の神経回路機構の存在が知られており、斜向性眼球運動はこれら2系統のベクトル合成により形成されると考えられていたが、今回の検討では斜向性サッケードの水平軸、垂直軸の眼球運動速度はその傾きに従い有意に変化することがわかった。この知見によれば、斜向性眼球運動は水平軸、垂直軸の神経回路の単純ベクトル合成により構成されているのでなく、ならかの調整回路あるいは独立した神経回路の必要性を示唆するものである。
今後は回旋性眼球運動の検討も加え、かつ急速眼球運動のみならず緩徐な眼球運動に関しても同様の検討を行う予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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