研究課題/領域番号 |
10671593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平川 勝洋 広島大学, 医学部, 助教授 (30144843)
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研究分担者 |
立川 隆治 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (70304441)
益田 慎 広島大学, 医学部, 助手 (50263695)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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キーワード | 人工内耳 / 小児 / 言語発達 / コミュニケーション能力 / 評価 |
研究概要 |
言語習得前あるいは言語習得中に失聴し人工内耳を装用した乳幼児の言語発達は、コミュニケーション能力、理解言語、表出言語、発声・発語が相互に関連しながら影響すると言われている。Nottingham病院では、このような考え方に基づいて人工内耳装用児の評価を複数の評価方法(テストバッテリー)を組み合わせて行っている。語音聴取や発声・発語などの評価が比較的客観的にかつ定量的に行われているのにたいして、コミュニケーション能力の発達の評価は親やリハビリテーション担当者の主観に頼り、定性的な評価にとどまっている。 本研究では、コミュニケーション能力の評価が主観的ではあるが帰納的に評価した結果として評価でき、定量的な結果が得られることを目的として、人工内耳装用児を評価するための評価表を作成した。作成した評価表では、評価手法としてVAS(Visual Analog Scaling)法を用いた。評価表および評価手法の妥当性を確かめるために、保育士、言語聴覚士、医師(計16名)に同一のVTRに登場する人工内耳装用児のコミュニケーショシ能力を作成した評価表を用いて評価させた。VTRからは人工内耳装用児の聴性行動を中心に客観的なデータを抽出し、評価表から得られた評価点と比較した。その結果、評価表の内容および評価手法としてVAS法を用いたことは妥当であると考えた。 さらに、同じ評価表を用いて、保育士、言語聴覚士、医師という異なった職種間でコミュニケーション能力の評価に影響を及ぼす考え方の違いについて検討した。三つの職種に共通する考え方も多く認められたが、重要視する考え方を統計学的に検討すると上位にランクされる考え方は必ずしも一致しなかった。コミュニケーション能力を評価するさいの職種間での着眼点の違いを示唆する結果であった。 なお、当初目的としていた人工内耳と補聴器の併用効果については、人工内耳装用期間が充分ではないこと、評価の対象となった人工内耳装用児が幼少であることなどから、充分な結果を得ることはできなかった。
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