研究課題/領域番号 |
10671596
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
兵頭 政光 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (00181123)
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研究分担者 |
河北 誠二 愛媛大学, 医学部, 講師 (60304606)
佐藤 英光 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (30187223)
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キーワード | 加齢 / 嚥下圧 / 嚥下障害 / 咽喉頭異常感症 / 咽喉食道透視検査 / 筋電図検査 |
研究概要 |
1. 愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科を受診した嚥下障害患者19例および咽喉頭異常感症患者2例に対し、圧トランスデューサーを用いて嚥下圧測定検査を行った。嚥下障害患者の内訳は口腔・咽頭・喉頭腫瘍摘出および再建術後が7例、脳血管障害後が6例、筋変性疾患が4例、その他2例であった。年齢は23〜79歳(平均61歳)であった。このうち口腔・咽頭・喉頭腫瘍摘出および再建術後の症例では口腔内圧を同時測定した。その結果、口腔内圧と咽頭圧の発生パターンは症例ごとに多様であること、また1回の嚥下反射を惹起するのに数回の口腔内運動が必要な例が多いことなど、新たな知見が得られた。 2. 嚥下障害患者38例および咽喉頭異常感症患者86例、その他43例に対し、咽頭食道透視検査を行った。嚥下障害患者の内訳は口腔・咽頭・喉頭腫瘍摘出および再建術後が13例、脳血管障害後が12例、筋変性疾患が7例、その他6例であった。年齢は8〜91歳(平均54歳)であった。65歳以上の高齢者においては自覚的に嚥下障害を認めない例においても咽頭期嚥下において造影剤の喉頭流入、喉頭挙上の遅延、喉頭挙上度の低下などの異常所見が約4割の例にみられた。このことは加齢が潜在的な嚥下障害をしばしば引き起こしうることを示唆するものである。 今後、嚥下圧測定検査および咽頭食道透視検査の症例を増やすとともに、嚥下関与筋の筋電図の同時測定も併用し、その結果を時間的な因子も加えることにより定量的に解析する予定である。
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