研究課題/領域番号 |
10671596
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
兵頭 政光 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00181123)
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研究分担者 |
河北 誠二 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (60304606)
佐藤 英光 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (30187223)
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キーワード | 加齢 / 嚥下圧検査 / 嚥下障害 / 嚥下圧伝搬障害 / ATPase染色 / 神経筋接合部 / 筋線維萎縮 |
研究概要 |
1.愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科を受診した嚥下障害患者32例、咽喉頭異常感症患者2例(平成10年度症例を含む)に対して、圧トランスデューサーを用いて嚥下圧検査を行い、嚥下圧曲線および嚥下圧伝搬曲線を作成して嚥下圧動態を解析した。嚥下障害患者は内訳は口腔・咽頭・喉頭腫瘍摘出術および再建術後が13例、脳血管障害後が9例、神経筋疾患が8例、その他2例であった。その結果、口腔・咽頭・喉頭腫瘍摘出術後の患者では、中咽頭から下咽頭にかけて嚥下圧の伝搬障害や嚥下反射の惹起不全などの所見が見られること、高齢者においてはこの傾向が特に強くなること、などが明らかとなった。 2.嚥下関与筋の一つである内喉頭筋について、加齢による筋の形態学的変化を検討した。実験には生後40〜70週の老齢ラットを用いた。内喉頭筋のうち輪状甲状筋および後輪状披裂筋を摘出し、筋線維タイプ構成をATPase染色により、筋線維断面積を画像解析ソフトウェアにより計測した。また、塩酸加水処理法を用いて神経筋接合部の三次元的構造を走査電子顕微鏡により観察した。その結果、40週の輪状甲状筋および後輪状披裂筋では筋線維タイプ構成には明らかな変化は認めなかったが、筋線維断面積は輪状甲状筋では約10%、後輪状披裂筋では約40%減少しており、筋線維の萎縮がみられることが明らかとなった。また、神経筋接合部の観察では66週の老齢ラットにおいて、幼若ラットに見られるような未熟な神経下装置を有する筋線維が確認された。このことから加齢により筋線維のremodelingがおこっていることが推測された。
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