1動画ウインドウによるデータ送信 ビデオカメラを固定して直接画像を撮影し、動画ウインドウで送信する方法は、多数の症例について、同時に画像を共有し、討議するために有用であったが、静止画像送信に比較すると、画質がやや劣ることが問題点とされた。また、この方法では、動画像(X線造影、超音波画像)に関する検討も可能であった。 2静止画共有機能によるデータ送信 昨年と同じく、予め提示する画像を準備しておく必要のあること、高容量画像の場合、自動的に圧縮されて送信されるため、画質が悪化してしまうことが問題点として、指摘された。 3ファイル共有によるデータ送信 症例の検査結果などを経時的に、表計算ソフトなどに入力しておき、ファイル転送してデータについての討議を行うことは、時間の遅れもなく、有用であった。 従って、画像については、症例に応じた共有方法を工夫すること、テキストデータについてはファイル転送を用いることで、両病院間の普及型遠隔医療システム構築が可能と考えられた。また、今年度は無指向性エコーキャンセラー付マイクの使用により、音声の送受信環境も改善された。 さらに今年度はインターネットを使ったテレビ会議システムも試みたが、フレーム数が少なくISDN回線の設備を必要としないものの、リアルタイムの医療カンファランスに使用するには限界があると思われ、今後、精度をあげるためには、ISDN回線を複数回線用いるなど、多量のデータ送信が可能な通信回線の確保が重要な課題である。
|