平成10年度、11年度に行った実験をもとに、機材、運用などの面で改善を行い、2附属病院間で医療用カンファランスの実運用を行い、当該システムによる成果を検証した。 使用ソフトは、国際標準H.320準拠のNTT社製マルチメディアテレビ会議システム、フェニックスVer1.5で、横浜市大附属病院と横浜市大附属市民総合医療センター(旧浦舟病院)間を、通信回線としてISDN公衆回線を1回線2通話分(128Kblts/s)使い、施行した。 1 昨年からの課題であった多人数対多人数の会議には、無指向性エコーキャンセラー付マイク、プロジェウターを利用することにより、実運用面での改善がみられた。すなわち、マイクから離れた場所にいる参加者の発言が十分に伝わらない、モニター画面が小さく参加者全員での共有が困難であるといった問題点が、一定の範囲で解消した。 2 伝送データのうち、高容量を要するカラー写真、スライド類は、ISDN1回線を使用するシステムのため、画質、伝送時間の点で限界のあることが、引き続き指摘され、両施設の手元に予め同じ内容の資料を準備しておくなどの運用上の工夫が必要とされた。 3 インターネットを経由したテレビ会議システムを行い、ISDN1回線使用のテレビ会議システムと比較した。インターネット経由では、距離に関係なく回線料の負担が少ないことが魅力であるが、情報保護、画質などの点からはなお、問題があると思われた。 以上の実運用結果より、今後は複数ISDN回線や高容量回線使用の機材による検討を進めることが最重要課題と考えられる。
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