研究概要 |
扁桃、アデノイドにおけるcostimulatory signalの発現の検討 症例及び方法 ヒトロ蓋扁桃(習慣性扁桃炎症例と扁挑肥大や睡眠時無呼吸症候群などの非炎症性扁桃症例)と咽頭扁桃(アデノイド肥大症例)からリンパ球を分離し、PE-CD40L,CD28抗体とFITC-CD40,CD80あるいはCD86抗体で二重染色し、フローサイトメトリー(FACStar)で解析した。 次に、リンパ球をIL-4+抗CD40抗体やSEB(staphylococal enterotoxin B)さらにRSV(respiratory syncytial virus)を加え、3日間培養後のcostimulatory signalの発現を比較した。 成績 1) 扁桃炎の既往のない扁桃に比較して、習慣性扁桃炎に罹患した扁桃リンパ球においてCD80,CD86の発現が有意(p<0.05)に低下していた。 2) 口蓋扁桃に比較して咽頭扁桃のリンパ球のCD80,CD86の発現が高い傾向にあった。 3) IL-4+抗CD40抗体、SEB、RSV各々の刺激によって扁桃炎の既往のない扁桃、習慣性扁桃炎に罹患した扁桃リンパ球共にCD80,CD86の発現が有意(p<0.05)に増強した。 考察 習慣性扁桃炎のリンパ球はin vitroでは細菌、ウイルス刺激に反応しcostimulatory signalの発現が増強されるが、in vivoではその発現が抑制されており、免疫応答が低下している状態であることが示された。
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