研究課題
1) 宇宙開発事業団・筑波宇宙センターに設置されている直線加速度装置を用いて、被験者に対し長時間にわたり正弦波での往復する直線加速度を与えた。この刺激下では、耳石器に一定方向のONとOFFの刺激が加わり、その方向性に対し、適応状態が生じることがわかった。2) この状態で被験者の姿勢制御を磁気センサーや足圧センサーをもちいて解析したところ、身体の前後方向のX軸より、仰臥位の左右Y軸方向や仰臥位の上下Z軸方向の直線加速度負荷で、歩行や安静の状態で有意に不安定な状態になることがわかった。さらに重力軸方向の認識の誤差も、仰臥位Y軸方向やZ軸方向の刺激で有意に増大した。3) すなわち長時間の反復刺激による耳石機能の適応過程は、身体にかかる刺激の方向によって、異なる反応を示した。4) 今後は、さらに長時間の直線反復刺激による耳石機能の適応過程の変化を、直線加速度負荷装置と傾斜椅子をもちい、解析していく。