目的 未治療の頭頸部扁平上皮癌を対象とし、根治を目的として化学療法(CDDP+5-FU)と放射線治療の併用を行い奏功率、臓器温存率を検討した。 治療方法 CDDP100〜140mg/m^2を第1日に30分間で選択的動注、5-FU1000mg/m^2を第2〜6日に持続点滴静注を行い、これを1コースとして2〜4週毎に3コース行った。3コース目の化学療法は放射線治療と同時に行った。CDDPの毒性を軽減するためCDDP動注の前後にチオ硫酸ナトリウムを点滴動注し、CDDPを中和した。 結果 治療は100例(上咽頭14例、中咽頭23例、喉頭4例、口腔39例、上顎20例)に行った。この研究の目的は生存率と臓器温存である。 3年生存は上顎癌69%、上咽頭癌90%、中咽頭癌74%、口腔癌62.5%であった。臓器温存率は上顎癌56%(9/16)、中咽頭癌65%(15/23)そして口腔癌39%(13/33)であった。 結論 上咽頭、中咽頭、喉頭、上顎洞の進行癌に対する2ルート化学療法・放射線併用は有用な方法であると思われた。
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