研究概要 |
当該の科研費の交付を受け、ルイスラットと有色ラットとの交配を行い、F1ラットを作成した。これらのラットにルイスラットを戻し交配し、N2,N3ラットを作成し、MHCクラスIIの遺伝子型を検索した。N2,N3ラットの内、有色で、MHCクラスIIがRT1 BLのホモの個体を選別し、これにRPE65を免疫し、実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)が惹起されるか否かの検討を行っている。有色ラットにRPE65によって惹起されるEAUは白色ラットにおいて惹起されるそれよりも肉芽腫性の変化が強かった。 RPE65の免疫によるEAUはMHCがRT1 BLのホモ接合体であることが必要条件であるが、この他にも因子があると推測された。現在、有色で、RT1 BLがホモの接合体で、その他の因子もホモ接合体である個体を作成し、これらを交配させることによって、安定にRPE65によってEAUを惹起することのできる系統を樹立しようとしているところである。 また網膜色素上皮に炎症が存在すると推測される患者リンパ球を患者さんに説明し、同意を得たうえで、採取・分離し、RPE65のヒトアミノ酸配列に従った約30残基で、蛋白質全長をカバーするように合成したpeptideを刺激抗原としてリンパ球増殖試験を行った。併せて患者さんのHLAの遺伝子型の解析も行っているが、現在は症例数が少なく、傾向は掴めていないが、症例数を増やすことによって、結果が得られるものと考えられる。
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